訪問日:2026年4月15日(水) 雨
雨の日の嵐山
京都には何度も来ている。
渡月橋も竹林も歩いた。
今日は少し違う嵐山を見てみたい。
そう思って阪急電車に乗った。
本当は雨なら美術館を巡ろうと思っていた。
ところが、福田美術館も嵯峨嵐山文華館も休館日。
朝から予定変更。
「今日は、かなりハードモードかもしれない。」
そんな予感から旅は始まった。
ICOCAに一万円札でチャージする。
旅先では一万円札は使いにくい。
両替も兼ねて、いつもの準備だ。
女性専用車両は学生でいっぱいだった。
英単語を覚えている学生を見て、
「あ、勉強止まってるな。」
と少し反省する。
電車で席が空くと座ることは多い。
でも近くに高齢の方がおられると、三秒だけ待つ。
譲られることを望まない方もおられるから。

雨の嵐山。阪急嵐山駅を出て、葉桜の並木を歩き、川沿いをゆっくり進む。
その先には、千光寺、そして渡月橋が待っていた。
阪急嵐山駅に着く。
今日は以前買った歩きやすい靴が本領発揮。
二万歩歩いても疲れにくく、雨の日も安心だ。
駅のトイレは新しく、多機能トイレも複数ある。
こういう安心感は観光地ではありがたい。
外へ出ると、アイスクリーム屋のBGMと鳥の声。
少しだけ桜が残り、観光客が楽しそうに写真を撮っている。
雨が降り始めた。
レインコートを着ていると、後ろの女性も傘と上着を取り出した。
「寒いですね。」
短い会話だけれど、旅らしい時間だった。
渡月橋は今日も美しい。
竹林へ向かう人も多い。
でも今日は、その手前を歩いてみることにした。
王道を少し外れる
11時開店のそば屋が気になり、開店まで周辺を散歩する。
戻って注文したのは、うどんとそばが選べる「にしん定食」。
派手さはない。
でも、出汁はしっかり、うどんにはほどよいコシがあった。
そんな静かな昼食だった。
※ランチの詳しい内容は「美と味|にしん定食」で紹介しています。
モンキーパークへ向かう人は多い。
その先へ進む人は少ない。
20分ほど川沿いを歩く。
雨が川に落ちる音。
傘に当たる雨音。
鳥の声。
静かすぎて少し不安になるほどだった。
石段を登ると千光寺。
入口には竹の杖が置かれ、
「そんなに険しいの?」
と少し身構える。
鐘は自由に撞くことができる。
雨の山に響く鐘の音は、とても心地よかった。
さらに石段を上ると、小さな建物がある。
台風で本堂が倒壊し、今は仮住まいで千手観音が守られていた。
そこで寺を守る方が話してくれた。
「鐘だけ撞いて帰る人が多いんですよ。」
拝観料は四百円。
豪華なお寺ではない。
静かな山で、仏さまを守り続けている。
さらに、二尊院にはゆかりの豪商のお墓があり、大切に守られていることも教えていただいた。
観光地では何千円もするランチやカフェに立ち寄る。
その一方で、この場所を支える四百円は、とても小さな金額なのかもしれない。
もし訪れることがあれば、鐘の音だけで帰らず、その先の千手観音にも会ってほしいと思った。
偶然出会ったカナダからのカップル。
片言の英語と身振り手振りで、
「秋は紅葉がもっときれい。」
と伝えてみる。
ついでに、
「おじさん、話が長いでしょ?」
と言うと笑ってくれた。
今日一番の成果かもしれない。

雨に濡れた石段を登ると、静かな千光寺と青紅葉が迎えてくれる。
静かな京都
渡月橋を渡る。
昼になると空気は一変する。
観光バス。
修学旅行。
雨。
あっという間に鬼混み。
静かな嵐山は、一瞬でいつもの観光地へ戻った。
少し離れて落柿舎へ向かう。
外から眺める人は多いが、中へ入る人は少ない。
井戸、おくどさん、茅葺き屋根。
小さいけれど、昔の暮らしがそのまま残っている。
雨の日は、多く巡るより少し座るくらいがちょうどいい。
昔の人も、雨音を聞きながら俳句を詠んでいたのだろうか。
竹林を抜け、線路を渡る。
人は少なくなる。

雨音に包まれた竹林と、静かに佇む落柿舎。
少し寄り道すると違う嵐山に出会える。
その代わり、小さなカフェがいくつも並んでいた。
立ち寄ったアンティークショップのような雰囲気のカフェ。
見た目は「なんちゃってティラミス」。
でも、一口食べると濃厚で驚いた。
期待していなかったからこそ、記憶に残る味になった。
※詳しくは「美と味|ティラミス」で紹介しています。
二尊院で雨音を聞く
二尊院へ入る。
入口でお寺の方が、
「今日は人が少ないですよ。」
と話しかけてくれた。
最初は、
「寺はどこも同じに見える。」
そう思っていた。
歩く。
青紅葉が通せんぼをする。
寺はどこも同じに見える。
ならば、多くはいらない。
ひとつの寺で、ゆっくり立ち止まればいい。
寺が語りかけてくるまで待てばいい。
雨音。
本堂の屋根から落ちる雫が小石に当たる音。
鹿威し。
その間隔も、雨の強弱で少しずつ変わる。
雨の日だからこそ聞こえる音がある。
やがて雨は本降りになった。
「いやー。リクエストしてませんが!」
思わず一人で笑ってしまう。
本堂を出て、もう少し奥へ歩いてみる。
百人一首で知られる藤原定家ゆかりの場所まであと少し。
しかし、大きな水たまり。
熊、蜂、蛇、土砂崩れ注意。
好奇心に負けて少し進んだが、夕方四時半。
諦める。
引き返して正解だったかもしれない。
後でお寺の方に聞くと、
「眺めがいいだけですよ。」
と笑って教えてくれた。
たどり着かなかった場所も、この日の旅の思い出になった。

雨に洗われた石段と青もみじ。
二尊院には、ゆっくり歩きたくなる時間が流れていた。
現実へ戻る
嵯峨嵐山駅まで進む。
店がない。
渡月橋まで戻っても閉店。
夕食難民。
こんな失敗も旅らしい。
阪急嵐山駅へ戻る。

雨の一日が終わるころ、灯りがともる野宮神社と阪急嵐山駅。
静かな夜の旅路。
確かに、嵐山で夕食を食べる人は少ないのかもしれない。
四条河原町ではなく、今日は途中下車。
桂駅で降りる。
結果的に、それが正解だった。
熱燗。
餃子。
鳥のすき焼き。
地元の人が集まる普通の居酒屋。
かっこよさはない。
でも、普通もいい。
むしろ、こういう店の方が落ち着く。
※詳しくは「美と味|餃子と熱燗」で紹介しています。
帰りの阪急電車。
また間違えたかな?
準急に乗ってしまった。
電光掲示板では先に着くように見えたのに、後ろの準特急が先着らしい。
特急、準特急、通勤特急、急行、快速。
阪急電車は少し分かりにくい。
まあ、座れたしいいか。
長岡天神で準特急に乗り換え。
結果オーライ。
一人旅は自由だ。
今日は26,567歩。
よく歩き、
よく食べ、
よく迷った。
予定どおりには進まない一日だった。
でも、
静かな鐘の音。
青紅葉。
鹿威し。
カナダの人の笑顔。
そして、桂で飲んだ熱燗。
雨の日だから出会えた京都があった。
京都は有名な場所だけではない。
王道を少し外れると、静かな時間が待っている。
そんな途中下車の旅だった。
🗺️ YUMEVOJAマイマップ
今回歩いたルートをマイマップにまとめています。
渡月橋から少し外れるだけで、雨音と鐘の音が響く静かな京都に出会えました。
🍜 あわせて読みたい|美と味
👉にしん定食|地味だけど、出汁がしっかり。雨の日にほっとした嵐山ランチ
👉ティラミス|期待していなかったからこそ、記憶に残ったカフェ時間(準備中)
👉餃子と熱燗|夕食難民がたどり着いた桂の夜(準備中)
👉 関連するイラストはこちら
(無料で使えます)
▶︎ 🎨イラストページへ
👉京都を、気分で選ぶ。
▶︎☆京都まとめを見る

おまけガチャはこちら!
🧿 フランスへの扉
☕ Café(カフェ)
フランス語で Café(カフェ) は、コーヒーだけでなく、コーヒーを飲みながら過ごす場所も意味する。
フランスでは、雨の日にカフェで過ごすことが特別なことではない。急いで帰るのではなく、窓の外を眺めながらコーヒーを飲み、本を読んだり会話を楽しんだりする人も多い。
日本では雨の日というと少し残念な気持ちになることもあるが、フランスでは「雨だからこそ落ち着ける時間」と考える人もいる。
今回の嵐山も晴れではなかった。けれど、人が少なく、静かな時間が流れていた。雨の日の旅にも、晴れの日とは違う楽しみ方があるのかもしれない。
✈ フランス語も一緒に楽しみませんか?
文法や発音は、YouTubeチャンネル YUMEVOJA フランス語への扉 で解説しています。
さらに詳しい学習記録や再挑戦ストーリーは、このブログのカテゴリー 「フランス語 再挑戦」 へどうぞ。

おまけガチャはこちら!
🧿アラビアへの扉
قهوة(Qahwa/カフワ)
アラビア語で قهوة(Qahwa/カフワ) はコーヒーを意味する。
日本でも来客にはお茶やコーヒーを出すことが多い。
一方、アラビアの国々では、アラビアコーヒーを客人にふるまうことが歓迎や敬意を表す大切な作法として受け継がれている。
飲み物そのものよりも、「あなたを歓迎しています」という気持ちを伝える意味が大きい。
雨の嵐山で温かい食事を取ったとき、ほっと肩の力が抜けるような感覚があった。
国は違っても、温かい飲み物や食事が人の心を和らげることは、どこか共通しているのかもしれない。
“わからない”を、楽しいに変える。
それが「アラビアへの扉」
