💊薬と人のあいだ⑦|水は、いちばん静かなセルフケア

薬と人のあいだ,水,日本の水文化,軟水,飲み水,蛇口の水,ペットボトルの水,ドラッグストア,薬剤師,子どもの粉薬,セルフケア,白いキャラクター,シンプルイラスト

水は、日本ではとても身近だ。

自販機。
コンビニ。
ドラッグストア。
スーパー。
駅の売店。

少し歩けば、どこかで買える。

そして飲食店へ入れば、
多くの場合、
何も言わなくても水が出てくる。

あまりに自然すぎて、
日本人はそれを特別なことだと思っていない。

日本では、
蛇口をひねれば、
飲み水が出てくる。

それもまた、
世界では当たり前ではない。

けれど海外へ行くと、
この感覚は少し変わる。

ヨーロッパでは、
レストランで水を注文する文化がある国も多い。

フランスでは、
無料の水を頼むなら、
「une carafe d’eau」と言って、
水道水をお願いする。

逆に言えば、
言わなければ、
最初から水が出てこないこともある。

また、日本の水は、
一般的に軟水が多い。

口当たりがやわらかく、
お茶や出汁とも相性がいい。

海外では、
硬水の地域も多い。

ミネラル分が多く、
少し重たく感じることもある。

同じ「水」でも、
国によって、
かなり性格が違う。

日本でも、
ペットボトルの水は種類が多い。

同じ軟水でも、
なぜか飲みやすいもの。
少し苦手に感じるもの。
体にすっと入る気がするもの。

人によって感覚は違う。

最近では、
「自分に合う水は、ペットボトルを持っただけで体が反応する」
という話まで聞いた。

科学的な根拠は、
私にはわからない。

けれど、
人が「この水は好き」「これは合わない」と感じること自体は、
少し面白いと思う。

薬剤師として働いていると、
「薬は何で飲めばいいですか?」
と聞かれることがある。

本来、
薬は水で飲むのが基本だ。

お茶。
ジュース。
スポーツドリンク。
コーヒー。

飲み物によっては、
薬の吸収に影響したり、
苦味が強く出たりすることがある。

特に、
子どもの粉薬。

最近の薬には、
苦味を感じにくいよう、
表面をコーティングしているものもある。

ところが、
飲み物によっては、
そのコーティングが壊れ、
急に苦味が出てしまうことがある。

ただ、
小さな子どもにとって、
粉薬を水だけで飲むのは難しい。

だから現場では、
「絶対に水だけ」
と言い切るより、

避けた方がいい飲み物を伝えながら、
その子が飲めそうな方法を一緒に探すことも多い。

薬は、
成分だけでは終わらない。

実際に飲めるか。
続けられるか。

そこまで含めて、
初めて“使える薬”になるのだと思う。

水は、
薬ではない。

けれど、
薬と人のあいだには、
いつも水がいる。


👉他の記事はこちら。
▶︎☆ 薬と人のあいだ|記事まとめ