
薬が増えると安心する?
年齢を重ねるにつれ、
薬は少しずつ増えていくことがある。
血圧。
血糖。
眠り。
痛み。
症状が増えるたび、
検査結果が出るたび、
薬が追加されていく。
一方で、
薬が減ることは、あまり多くない。
そこには、
「減らす不安」があるからだ。
高齢になると、
多くの薬を正しく飲み続けること自体が、
難しくなる場合がある。
そこで始まるのが、
薬を1回分ずつ小袋にまとめる
「一包化(いっぽうか)」だ。
朝。
昼。
夕。
寝る前。
小さな袋の中に、
ぎゅうぎゅうに薬が入っている。
本人も、
「何の薬を飲んでいるのか」
すべては分からなくなっていることがある。
「先生に相談して、
少し減らしてみては?」
そう尋ねても、
「機嫌を悪くされたら嫌だし……」
「減ると不安もあるしね」
そんな言葉が返ってくることがある。
もちろん、
明らかに危険な飲み合わせや、
使い方に問題がある場合は、
確認や相談を行う。
ただ、
「多い」という理由だけでは、
簡単に減らせないことも多い。
これは、
医師だけの問題でもない。
糖尿病の患者の荷物から、
たくさんのお菓子が出てくることもある。
本当は、
生活を見直した方がいい。
けれど、
人はいつも、
正しい選択だけを続けられるわけではない。
薬に頼りたくなる日もある。
完璧な人間はいない。
だからこそ、
「ゼロか百か」ではなく、
どこで折り合いをつけるのか。
薬と人のあいだには、
そんな静かな難しさがあるように思う。
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