💊 薬と人のあいだ 21|日本人は、夏バテ防止にウナギを食べるのだろう?

目を閉じて穏やかに座る白いうさぎ。夏の食文化や、食べる楽しさをイメージしたイラスト。

夏になると、日本では「土用の丑の日」が話題になります。

スーパーや飲食店にはウナギが並び、「夏バテ防止に」と勧められる光景も、この季節ならではです。

海外の方から見ると、

「なぜ日本人は真夏にウナギを食べるの?」

と不思議に思うかもしれません。

実は、この習慣には栄養だけでなく、日本ならではの食文化も関係しています。


土用とは、季節の変わり目を指す言葉です。

その期間の「丑の日」にウナギを食べる習慣が広まったとされています。

江戸時代には、平賀源内がウナギ屋に助言したという有名な話があります。

ただ、この話は広く知られていますが、史実として確定しているわけではありません。

一方で、奈良時代の『万葉集』には、夏やせにウナギを勧める歌が残されており、昔から夏の食べ物として親しまれてきたことがうかがえます。


では、本当に夏バテ防止になるのでしょうか。

ウナギには、たんぱく質やビタミンA、ビタミンB群などが含まれており、暑い時期の栄養補給には役立つ食材の一つと考えられています。

ただ、ウナギを一度食べれば夏バテしない、というものではありません。

十分な睡眠や水分補給、バランスの良い食事など、毎日の積み重ねも大切です。


海外にも、暑い時期に体力をつけようとする食文化があります。

韓国では、暑い日に参鶏湯(サムゲタン)を食べる習慣があります。

「熱をもって熱を制す」という考え方から、あえて温かい料理を食べて汗をかき、体調を整えるという文化です。

中国でも地域によっては、暑い季節に体調を整える薬膳料理が親しまれています。

一方、ヨーロッパでは、暑い日はサラダや冷たい料理など、軽めの食事を選ぶことが多く、日本のように「この日にこれを食べる」という全国的な習慣はあまり見られません。

暑さへの向き合い方にも、それぞれの国らしさがあるようです。


子どもの頃、私はウナギが苦手でした。

あの皮の食感が、どうしても好きになれなかったのです。

人生のどこかで、好きになった食べ物がいくつかあります。

ウナギ、牡蠣、そしてセロリ。

味覚が変わったというより、おいしいものとの出会いがあったからなのかもしれません。

旅をしていると、思いがけない店や料理に出会うことがあります。

「苦手だから」と決めつけず、一度試してみる。

そんな偶然の出会いが、新しい楽しみを増やしてくれることもあります。

これからも、健康だけでなく、そんな出会いも楽しみながら、「食べて楽しむ。」を続けていこうと思います。


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