
夏になると、ドラッグストアでよく見かけるものがある。
経口補水液、OS-1だ。
職場の小さな勉強会で、メーカーの担当者がこんな話をしていた。
「健康なときに飲むと、おいしくないですよね。」
参加者がうなずく。
確かにそうだ。
スポーツドリンクのような甘さを想像すると、少ししょっぱく感じる。
「でも、脱水しているときは、おいしく感じる人もいるんですよ。」
身体が必要としているものを、自然に求めるからだという。
本当だろうか。
そう思いながら聞いていた。
経口補水液は、スポーツドリンクとは少し役割が違う。
スポーツドリンクは運動時の水分補給やエネルギー補給を目的としている。
一方、経口補水液は、下痢や嘔吐、発熱、熱中症などによる脱水時に、水分と塩分を効率よく補給できるよう考えられている。
海外にも同じ考え方はある。
経口補水液(ORS)は世界中で利用されており、脱水対策として広く普及している。
ただ、日本では少し存在感が違うように感じる。
ドラッグストアに並び、テレビで紹介され、夏になると熱中症対策として話題になる。
薬ではない。
けれど、医療の知恵が身近な商品として生活の中に入っている。
それは日本らしい風景なのかもしれない。
そういえば、お遍路を歩いていたときのこと。
真夏の暑さの中、汗をかきながら歩いていた。
脱水気味だったと思う。
塩飴をなめた。
きっと身体が求めていたはずだ。
・・・
特においしくはなかった。
身体は正直なのか。
それとも私が鈍いのか。
答えは分からない。
ただ、水分も塩分も普段はあまり意識しない。
だからこそ、不足したときに初めてその大切さに気づくのかもしれない。
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