季節限定の贅沢
訪問日:2025.4.29
長岡天神駅近くの「わかたけ」でいただいたのは、春の味覚「竹ごぜん」。
メニューには素朴に「竹ごぜん」とありましたが、実際は春のたけのこを存分に使ったまさに「御膳!!」と呼びたくなる内容でした。
朝採れのたけのこは、その日のうちに味わうからこそ本当の魅力を放ちます。
柔らかい部分は上品な甘み、少し硬めの部分は香ばしい歯ごたえ。
五味がそろい、食感のコントラストも豊かで、見た目にも美しい御膳でした。
——まさに京都ならではの上品なひとときです。




豪華な御膳とその価値
価格は4,500円。
決して安くはありませんが、写真を見てもらえば、本気度が伝わると思います。
一品一品に「春の力」が込められていました。
ショーケースで確認したときから、わくわくが止まりませんでしたが、
実際に運ばれてきた御膳は期待以上。
「春だけの特別な食体験」でした。
お店について(行く方へ)
お店は 阪急長岡天神駅から徒歩数分。建物の2階にあり、内装は昭和の雰囲気そのまま。
観光客向けの華やかな空間ではなく、どこか懐かしい、地元に根ざした雰囲気です。
メニューは季節ごとに変わり、「竹ごぜん」が必ず提供されるわけではありません。
たけのこの入荷時期や量に左右されるため、提供される期間は毎年変わります。
私自身、何度か問い合わせをして、ようやくいただくことができました。
行かれる方は、事前にお店へ確認されることをおすすめします。
考えさせられたこと
御膳を前にして、ふと未来の自分を想像しました。
リタイア後も、やっぱりおいしいものを楽しみたい。
そのために、健康を大切にし、働けるうちは働き続けよう。
そんな前向きな気持ちを、この一皿が自然と引き出してくれました。
食を楽しむことは、生きることそのもの。
竹ごぜんは、ただの食事ではなく「未来へのエネルギー」を与えてくれる体験でした。
小さな出会いが、この日の “途中下車の旅” を豊かにしてくれました。
ストーリーはこちらからたどれます。
クリックすると、その旅の記事へ飛べます。
📎 あわせて読みたい
この日味わったごちそうの詳しいレポートは
👉 美と味(大阪〜京都)①うどん餃子へ
美と味(大阪〜京都)②竹ごぜん – へ
美と味(大阪〜京都)③鴨ロースとちょい飲みセットへ

おまけガチャはこちら!
🧿 フランスへの扉
− アスパラガス:白の貴婦人、春の訪れを告げる
フランスの春、マルシェ(市場)に最初に並ぶのがアスパラガス(asperge)。
白、緑、紫――その色の違いは、育て方と光の差。
特に白アスパラガスは、太陽の光を遮って育てるため、
土の中で育つという点で、まさに“フランスの筍”といえます。
ブルゴーニュやアルザス地方では、春になると家庭でもレストランでも
「アスパラ祭り」のように人々がこの野菜を待ち望みます。
ゆで上げて、卵黄ソース「ソース・オランデーズ」を添えるのが定番。
シンプルなのに、皿の上には春の喜びが詰まっています。
💬 トリビア:
ルイ14世(太陽王)は、アスパラをこよなく愛した王。
季節を待てずに一年中食べたくて、宮殿内に専用の温室を作らせました。
それ以来、アスパラは「王の野菜」と呼ばれるようになります。
日本人が“旬を待つ”ことで季節を味わうのに対し、
フランス人は“旬を作る”ために工夫する。
自然の恵みをそのまま受け取る日本と、
自然に技を加えて楽しむフランス――
どちらにも、春という命のエネルギーをどう受け止めるかという哲学があります。
🌷 つまり、筍とアスパラは「時間の味」。
日本では“待つ美学”、フランスでは“育てる美学”。
春は、どちらの国にも「味で感じる詩」があるのです。
✈ フランス語も一緒に楽しみませんか?
文法や発音は、YouTubeチャンネル YUMEVOJA フランス語への扉 で解説しています。
さらに詳しい学習記録や再挑戦ストーリーは、このブログのカテゴリー 「フランス語 再挑戦」 へどうぞ。

おまけガチャはこちら!
🧿 アラビアへの扉
− ヤシの心とデーツの若葉:砂漠に芽吹く命
乾いた砂の大地にも、“春の気配”は確かに訪れます。
それを教えてくれるのが、ナツメヤシ(デーツ)の新芽や、
**ヤシの木の芯=パームハート(Palm Heart)**と呼ばれる食材。
アラビア半島では、ヤシの木は“命の木(شجرة الحياة / shajarat al-hayat)”と呼ばれ、
果実も若芽も、生活と信仰の中心にあります。
ヤシの心はほのかに甘く、柔らかく、
春のごく短い時期にしか採れない貴重な恵みです。
💬 トリビア:
アラブでは、芽吹きの食材は「神が与えた再生の象徴」。
デーツの若葉を食べることは、
“生命の循環を体に取り込む”という意味を持ちます。
筍を「季節の祈り」として食す日本と、
ヤシを「神の祝福」としていただくアラブ――
どちらも、“食”が宗教と詩の中間にある文化です。
砂漠では「旬」は一年に数えるほどしかなく、
そのひとつひとつが儀式のように尊ばれます。
人は限られた自然の中で、わずかな芽吹きを見つけ、
それを“希望の証”として味わうのです。
“わからない”を、楽しいに変える。
それが「アラビアへの扉」
